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下肢静脈瘤の検査方法

こちらでは、下肢静脈瘤の病院での検査方法や診断の流れなどについて解説します。

目 次

下肢静脈瘤の検査は何科でできる?

下肢静脈瘤は進行が遅いとはいえ、年齢や生活習慣によっては早めのケアが必要なので、病院でじっくり相談しましょう。

診療科目は血管外科がメインで、できることなら専門クリニックに行くことをお勧めします。

治療は静脈瘤の種類によって異なるので、治療を受ける前に正確な診断と適切な治療計画が必要です。

適切な治療を受けないと、効果がないだけでなく逆に悪化するということになってしまうので、経験豊富な血管外科医の診察を受けてください。

下肢静脈瘤の診察・検査から診断までの流れ

初めて下肢静脈瘤の検査を受ける場合、診察の流れは次のようになります。

  1. 問診…問診票に記入された内容と、生活習慣、仕事内容などを問診し、下肢静脈瘤か、他の病気かどうかを判断する。
  2. 視診…むくみや皮膚の色など患部の状態を確認する。
  3. 触診…むくみ、皮膚の状態や硬さ、押すと痛みがあるかどうかなど調べる。
  4. 足の状態をみるために検査をする。

下肢静脈瘤の検査の前に準備・確認すること

医師の診察を受ける前に、症状について次にあげるようなメモをつくっておくと、医師も把握しやすくなり正確な診断ができます。

足の症状

  1. どの部分に、いつから、どのような症状があったのか?
  2. 症状が出る時間帯
  3. どっち側の足か?

他の病気

  1. 今までにかかった病気の病名、治療内容、時期
  2. 現在治療中の病名と服用している薬名(お薬手帳があれば持参)

アレルギー

  1. 食物、薬、注射のアレルギーがあるか?
  2. 喘息があるか?

下肢静脈瘤の検査方法

ドップラー血流系

超音波を血管にあて血流の速さの変化を観察して、血管内で逆流が起きているかどうか調べる。

カラードップラー検査

内臓のエコー検査と同じで、超音波を使って血液の流れをカラー画面で表示させ、視覚的に異常を確認する。

容積脈波検査

足の運動による静脈の容積変化を調べ、静脈のポンプ機能や血液の逆流の有無を確認する。

下肢静脈瘤クリニックの探し方

下肢静脈瘤専門クリニックを受診

下肢静脈瘤の治療をしたい時は、まず無理なく通える距離の下肢静脈瘤専門のクリニックがないか探してみましょう。

一般的なクリニックに比べてその数は少ないですが、大きな駅の近くなどでは、下肢静脈瘤を専門に治療するクリニックも増えてきています。

専門のクリニックなら、専門的な超音波検査機器で痛みの少ないの検査ができ、レーザーや高周波などの治療機器も豊富。日帰り手術も可能です。

血管外科のあるクリニックを探す

下肢静脈瘤専門クリニックがない場合は、「血管外科」の表示がある病院を探してみましょう。

血管外科のあるクリニックなら、下肢静脈瘤の専門家である血管外科医が在籍しているので、専門クリニックと同じような治療が受けられます。

血管に関するほかの病気も診てもらえますから、なんとなく足がむくみやすい、だるさが続くといった場合など、下肢静脈瘤かどうかわからなくてもまずは受診してみるといいでしょう。

血管外科は、「〇〇血管クリニック」のように専門病院もありますが、内科や循環器系などと一緒の病院に入っていることがほとんどです。

総合病院に入っていることもあるので、通いやすさなども重視して、近くの病院に血管外科がないかどうか確認してみましょう。

近くに血管外科がない時は…

症状がひどくてすぐにでも病院を受診したいけれど、通えるところに専門病院がない場合、循環器内科などでも下肢静脈瘤の治療をしてくれるところもあります。

ただ、その場合は必ず下肢静脈瘤の受け入れ体制が整っていること、臨床経験のある医師が在籍していることなどを確認したほうがいいでしょう。

適切な診断をされなくて下肢静脈瘤ではないと言われた場合、そのまま放置した結果、さらに症状が悪化してしまうおそれがあります。

できれば、事前に電話などで下肢静脈瘤に詳しい医師がいるか聞いてみるといいでしょう。その医師が毎日診察しているとも限りませんので、いつ診察してくれるのかも確認しましょう。

遠出をしてでも専門クリニックに赴いたほうがいい場合もあります。下肢静脈瘤ではないと言われた場合でも安心せずに、詳しい医師を探してみて下さい。

検査機器や治療機器がそろっているか

下肢静脈瘤の検査は、昔は静脈に造影剤を注射してレントゲンで撮影する方法が一般的でしたが、非常に痛みが強く体に負担のかかるものでした。

最近では、超音波によるエコー検査が主流で、痛みもほとんどなく短時間で検査することができます。

しかし、静脈超音波検査は正確に行うのが難しく、最新の機器や熟練の医師や検査技師がいないと成り立たないので、検査機器と臨床経験がある医師が在籍するクリニックを探しましょう。

また、下肢静脈瘤の治療法は複数あり、症状や種類に合わせて治療法も変わってきますが、最近では跡が残りにくく痛みも少ないレーザー治療が主流となってきています。

治療で使うレーザー機器も進化を続けており、保険適用となる機種もあるため、治療機器がそろっていること、保険診療による治療が可能なこと。

さらに新しい治療を自費診療で受けられるか選べることなどを病院選びの目安にしてみてください。

重症の場合に入院施設はあるか

レーザーによる治療は、手術にかかる時間が30分~1時間程度で済み、日帰りの治療が可能です。

しかし、手術後の重労働や立ち仕事はなるべく控えたほうが良く、ストリッピング手術の場合は、2~3日程度の入院が必要で、通常の生活に戻るにも2週間から1ヶ月程度かかります。

治療方法は個々の状態によって異なりますが、入院が必要になる場合もあります。

症状が重い場合は、特に入院できる設備が整っているかどうかも確認しておきましょう。

記事監修医師紹介

成田亜希子 医師

成田亜希子医師
  • 専門とする科目:日本内科学会、日本公衆衛生学会、日本感染症学会、日本結核病学会、日本健康教育学会所属
  • 経歴:弘前大学医学部卒
  • プロフィール:東京都出身。国立医療科学院や結核研究所で研修を積み、保健所勤務経験から感染症、医療行政に詳しい。
※学術部分のみの監修となり、医師が具体的なクリニックや施術や商品等を推奨しているものではございません。

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